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2015.03.13 Friday

残す、言葉

東北地方を襲ったあの惨禍から4年。
継続した支援ができていないことに自責の念を感じながら
ひたすらテレビ画面を見続け、新聞の文字を追い続けています。

政府主催の追悼行事の遺族代表の言葉、
…というとネットではいやな話題で盛り上がってしまっていますが
その人ではない方の言葉に、釘づけになりました。



父親を津波で失った、岩手県山田町出身の内館伯夫(みちお)さん(38)。

町の職員として定年まで勤め、人望も厚かったというお父さん。
そんなお父さんとの暖かい思い出がふとした時によみがえると同時に
遺体と対面した時の記憶で胸が苦しくなる…

 そんな時は、父が「俺のことよりも他の人を」と
 言っている気がします。津波にのまれる時に、
 父が最後にそう伝えていたのかもしれません。
 私よりも、もっとつらい体験をされた多くの方々を思い
 自分の気持ちをこらえます。


そして、これからの時の経過に思いを馳せ、「形あるものは、いずれ復興を遂げ
後世に残るでしょう」と語りながら、それとは逆の方向に向かう
自分の気持ちについて、次のように真情を吐露します。

 時々、時間とは反対に進む気持ちがあります。
 記憶が少しずつ薄れてゆくのではないかという恐怖と、
 胸に閉じ込めた記憶を忘れてはいけないという気持ちです。

 しかしそれを思い出せば、悲しく、悔しく、後悔と自責の念に駆られます。


そんな行きつ惑いつする気持ちから、次のような
教訓、などという安直な言葉にはけっして回収されない
心の奥から汲み出されたような言葉を、
ただ自分に言い聞かせるかのように続けます。

 形あるものの復興と共に、私たちがこれから数百年、数千年先へ、
 その悲しさを優しさに、その悔しさを何かを許す心に、
 その後悔と自責の念を生きている私たちがお互いを思いやり
 助け合う心にしたことを、伝え残していくこと。

 それが、私たち日本がこの震災を乗り越えた証しとなり、
 亡くなった方々への最大の敬意であると信じ、
 一日一日を大切に過ごしていきます。


みごとに推敲され、均整のとれた美しい言葉である以上に、
まさに語られた通りの優しさと思いやりが
文章からにじみでていて、胸を打たれます。

記事によれば、歯科医師として内館さんは
震災直後から遺体確認に当たっていたそう。
ただ運ばれてくるのが知っている同級生や
近所の人たちばかりで「それ以上、続けられなかった」。

そんな体験と記憶の意味を、おそらく4年間
一人心の内で、問いなおし続けていたのでしょう。

何を伝え残していくか、内館さんとともに
しかし私たちは私たちなりに考え続けなければならない、
とあらためて思わされます。

※震災・津波・原発関連の書籍や写真集を
 しばらく店内に陳列しています。

(S)
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